子供が欲しくない―"適齢期"前、悠の場合― 初めにお断りしておきます。この文章を書いている時点で、私は20歳、大学生です。 当たり前ですが、考えなんていくらでも変わっていく可能性はあります。 そのことを頭においてお読みください。 いつだったか正確には覚えていませんが、高校の頃に子供は要らないと思いました。 結婚はしたいと漠然と思うけれど。 何か子供を嫌いになるような事件が起こったわけではありません。 法律的には結婚できる年齢になったことが、考える機会になった程度でしょうか。 積極的に拒むというスタンスではなく、ただただ「ああ、私には無理だな」と思ったのです。 小学生のころからも「自分みたいな子供は扱いにくいだろうな。こんな奴自分の子供だったら嫌だな」などとは考えていましたが、気に入った漫画の登場人物の名前を「将来子供につけるんだ」と決めたりもしていました。 産みたくないと決定的に明文化されたというか、心に決めたのはやはり高校生のときだと思います。 誤解の無いように言っておきますが、私は特に子供が嫌いなわけではありません。 小さな子供はかわいいと思うし電車の中で騒いでいる子供にはむしろ寛容な方かとさえ思います。 大騒ぎする子供を放置している親にはムカついたりしますが、年齢相応の行動であれば子供にイライラすることはほとんどありません。 迷惑でないと言えば嘘になりますが、仕方の無いことだと思います。 でもそれは短期間の接触で、しかも他人の子だから。 騒ぐ子供と親のやり取りを見ていて「自分の子供だったら」と考えてみると背筋が寒くなります。 子供をその場に置き去りにして帰りたくなると思う。 そしてその衝動を止める自信は無い。 あんな日本語も常識も通じない生き物の世話を好き好んでするなんて狂気の沙汰としか思えない。 「まだ若いからそう思うだけ」とおっしゃる方もいるかもしれません。 でも大学の友人に「子供なんかいらんわ〜(大阪弁)」と言うと、珍しいものに遭遇したような反応が返ってきます。 この件に関して、明らかに私と彼女達の間には隔たりがあるのです。 友人は「自分の子供だったらきっとかわいく思える」とか「好きな人の子供は欲しいと自分は思う」などと私を丸め込もうと(?)するのですが、どうも的外れな気がしてなりません。 子供がかわいく思えても、好きな人の子供が欲しいと思っても、私はやっぱり嫌だと言い出す気がするんです。 自分の血が入った子供がいること自体が気持ち悪くも思えますし。 私がまだ子供を産むには若いといっても、この年齢で子供を産んだ人はいくらでもいます。 中学の同級生(顔と名前ぐらいしか知らないけど)には高校卒業と同時ぐらいに出産した人もいます。 直接の知り合いではまだいないけれど、そういう噂を聞くたびにわたしはなんだか恐ろしくなります。 自分は何か変なのだろうかと。 「変だ」という結論が出たところで状況は変わらないのだけれどね。 恐らく"できちゃって"若くして子供を産んだであろう彼女たちは、何も考えていなかったのかもしれない。 けれど、なんとなくでも受け入れていたはずで。 それが私には信じられないのです。断言してもいい。私には無理だ。 あと数年経ったからって変わるとは思えません。 それとも、"愛する人"の存在が私を変えたりするのでしょうか。 「この人の子供が産みたい」と心から思うようになるのでしょうか。 私には今のところ愛する人などいないし、いたこともありません。 いわゆる"付き合う"ということでさえ、数に入れていいのか迷うようなものが一回あっただけ。 愛するだとか、そういう感覚がわからないのです。 だから、「愛する人の子供が自分の臓器の中に存在する」というのがどんな感覚か私には全く想像が付きません。 貧困な想像力をはたらかせて出てくる答えは"異物"。 私のものであったはずの養分と体力と時間とお金を吸い取っていく異物。 しかもそれは一時的なものではないし、逃げられない。 結婚相手とは嫌になったら別れれば済むけど子供は延々つきまとう。 嫌だ。そんなの嫌だ。 子供を生み育てるのが女の幸せだと考える人たち(意外とまだ多いらしい)には、子供っぽい自己中心性から来るものだと言われるかもしれません。 それとも、「嫌だ」で済む問題じゃない、もっと真面目に考えろと言われるのでしょうか。 でも、それらの言葉を真摯に受け止めようとすればするほど私の「子供を産みたくない」という思いは強くなっていくような気がします。 私は自己中心的で、大幅に改善されるとは思えません。よって、手間のかかるガキの世話なんて出来ません。 自分の性格・能力と子育てというものの相性を真面目に考えた結果、うまく出来ないと思うので子供は要りません。 ほーら。 いくら少子化って言っても、子供一人が増えると同時にネグレクトが一件増えるなら産まないほうがいいに決まってる。 少子化という観点だけからいうと、お偉いさんが「真面目に考えろ」と言えば言うほど逆効果なんじゃないかと思います。 社会的には「真面目」の対極にいると思われるヤンキーたちが早くに子供を産んで数も比較的多そうですし、少子化だけをどうにかしたいなら国民総ヤンキー化計画でもすればちょっとはマシになるかもしれません。 私はまだ20歳でしかも三流大学の学生なので、いわゆる"負け犬(30代、未婚、子供なし)"の女性達が子供が欲しくない(結婚しない)理由としてあげる「子供はなんとなく欲しいと思うけど、十分な収入があって自立できていて、今が気楽。長年の生活を変えたくない」という理由は成り立ちません。 根っこは一緒なのかもしれないし、違うかもしれません。 2005/03/14 コラムTOP |
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